権現の踊り子

第123回芥川賞作家による初の短編集。川端康成賞を受賞した表題作を含む全6編が収録されており、240ページ弱の薄さで気軽に読める。文体は作品ごとに変化し、関西弁も多用されるため、好みは分かれるかもしれない。純文学でありながら、ふと笑ってしまうようなユーモアと皮肉があり、独特の味わいがある。「権現の踊り子」では、管理人室の“おばはん”に唆されて出かけた先で思わぬ展開が待ち受け、「逆水戸」では、あの水戸黄門がまさかの崩壊ぶりを見せる。著者の意図はつかみづらいが、気になる魅力を持つ作品集である。

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