現役パイロットだった著者が描いた処女作 希少な航空サスペンスというジャンルに挑んだ一冊。フィクションながら、リアルな描写に本音がにじむ
操縦するのは「紅のタヌキ」砧機長、朝霧機長、そして副操縦士・江波順一。NIA202便は、天候不順、要注意旅客、被疑者護送と刑事、組織間の摩擦など、次々に問題を抱えながら日本を目指す。日本海上空でエンジンが炎上し、機内は緊迫。やや詰め込みすぎな展開やご都合主義も見受けられるが、テンポよく読めて素直に面白い。華やかなだけではない航空業界の裏側と、それでも懸命に飛び続ける人々の姿を描いた、骨太の職業小説。
シリーズ第二作の「機体消失」も面白い
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