大好きな一冊。SFとしては三流、復讐劇としては二流、だが読後感は一流。嗜好においては超特級。ジャンルに縛られない娯楽小説として、圧倒的な存在感を放つ。好みは分かれるだろうが、固有名詞の妙にもぜひ注目してほしい。今や「黄泉がえり」で知られる著者だが、むしろ初期作品の方が心に刺さる。
主人公・神鷹静香は、ごく普通の24歳の主婦だった。だが銀河規模のテロに巻き込まれ、夫と娘を一瞬で失う。残された静香の心は壊れ、彼女を溺愛する父・秋山題吾は、愛を喪った娘に、憎悪という劇薬を与える。想定された安全装置は、静香の内に眠る強さの前には意味を成さなかった。壊れるどころか、彼女の中に静かに燃え始めたものの名は復讐心ではなく静かなる覚悟と強さと哀しみと怒りと誇りと孤独と運命と選択と再生と生の物語
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