著者はやや遅咲きながら、第134回直木賞を受賞。本作は登場人物も少なく、心理描写も控えめ。謎解き要素はほどほどに、一気に読める中編サスペンスだ。結末がハッピーエンドかバッドエンドか、読み手によって受け止め方が分かれる。私は哀しみを感じたが、あなたはどうだろうか。
中学受験を控えた子どもたちのため、湖畔で勉強合宿を始めた4家族。だがある父親の愛人が現れたことで、講師を含む小集団にわずかなひびが入り始める。やがて、彼女の軽い悪ふざけが引き金となり、殺人事件が発生する。
人の心を読み解くのは難しい。信じることはさらに難しい。たとえ家族でも、永遠を誓った相手でも、それは変わらない。理想を追いすぎた末に、自らを追い詰めてしまう人もいる。夢を持つことは大切だが、現実との折り合いもまた、必要なのだ
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