Amazon.co.jp : 熊の場所 舞城王太郎
サイコでサイケ、そして好みがはっきり分かれそうな短編集。収録された三編はいずれも不気味で異様だが、読後には妙な納得感が残る。著者は純文学からアニメパロディまでを手がける型破りな作家。クセの強い文体と独自の世界観で読者を引きずり込む。
「熊の場所」では、猫の尻尾を集める不気味な少年まー君と出会う少年時代の“僕”。「バット男」は調布に現れた謎の男の奇妙な存在感が際立つ。「ピコーン!」では暴走族の哲也と彼女の歪な関係が、暴力と性と推理で加速していく。
現実の隣にこんな世界があるのか、それともこれは完全なる異次元か。舞城王太郎ワールド、全開