ジャンヌ・ダルクまたはロメ

ヨーロッパを舞台にした歴史短編集。史実を巧みに織り込みながらも、全体としては軽く流れてしまい、深く印象に残る作品は少ない。登場人物の感情描写がやや浅く、物語にのめり込むには物足りなさを感じる。

全七編から成り、「ジャンヌ・ダルクまたはロメ」では、救世主と称えられた少女とフランス王家の闇を描き出す。「戦争契約書」では、百年戦争下、戦場に向かう若者たちの覚悟と契約を描写。「ルーアン」では、ジャンヌ・ダルクを裁く立場となった修道士の苦悩に迫る。「エッセ・エス」では、カスティーリャの名家の誇りと秘密に焦点を当てる。「ヴェロッキオ親方」は、芸術に生きた師弟の関係が人間味豊かに描かれ、本作中もっとも印象的だ。「技師」は、築城技術のみを武器に戦地に赴く男の誇りを描く。「ヴォラーレ」では、才能がもたらす狂気を映し出す。

歴史の重みよりも軽快さが勝り、深みを求める読者にはやや物足りないかも?!

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