『 神様のカルテ 』夏川草介 小学館

小説

智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい

有名な草枕の冒頭(一部省略)である

小説自体は あまりに 夏目漱石 をリスペクトし過ぎて 多少 鼻につくが

読み易く 馴染み易い まぁ 良かろう! と云う文章であるw

主人公より その嫁:ハル の方が断然気になる人物である

純文学 小説 ラノベ 区別が難しいが ラノベよりの小説と云っておく

かなり人気な作品だと云えよう

続編はシリーズ 「2」 「3」 「0」 「新章」 と続編が出ているので 本作を気に入った方々は是非にお読み頂きたい 

(2011年 2014年 主演:櫻井翔 映画化 2021年 主演:福士蒼汰 ドラマ化)

Amazon.co.jp : 神様のカルテ

(あらあらすじ) 信州松本の小さな病院を舞台にした物語である。 主人公:栗原一止(いちと)は内科医。 風貌も言葉遣いも古風で、漱石先生の御小説『坊っちゃん』の末裔の如し。 大学病院の最先端医療よりも、地方の「人と人との医療」に己の信念を見出しておる。 日々、限られた人手と時間の中で、死と向き合う患者たちに寄り添い、己の無力を噛みしめながらも奮闘する姿が胸を打つ。 妻:榛名 との穏やかな日常や、趣のある。。。 いや幽霊屋敷のごとき ‘御嶽荘’に住まう 奇人変人揃いの仲間との交流も実に温かい。華やかさこそないが、人を救うとは何か、生きるとは何かを問う 静かな力に満ちた一篇。いわば現代版『坊っちゃん』の医療版と申してよかろう。

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ここから ネタバレ あります!

(ゆるっと感想)

読後感は ほんわり はんなり ちょっと心が温まる。

本を読みこむ人にとっては物足りなさを感じるが、あまり読まない方の入門書として非常に優秀だと感じる。

話をてんこ盛りにしているので飽きさせないのは良い所だが 読み応えと云う意味では微妙。。。 昔流行った超訳風にも感じる。

日本酒の銘柄だけは沢山出てくるのだが 主人公の心理描写や情景描写がもう少し有る方が分かり良いのではと無駄な心配をしてしまう 特に登場人物が結構魅力的なので尚更に深堀をして欲しいのは活字中毒の末期症状かもしれない 病院での立ち位置や人間関係 細君と結婚するまでの過程 御嶽荘での生活。。。

まぁ 好みと云ってしまうと それまでなのだろうが240ページ程度の本なので倍の厚さが欲しいかも

深志神社~(P209) 

人が死ぬとはそういうことである。(P221)

は死生論と現代医学の矛盾合理性など なるほどと思わせる記述である。

雑感としてだが 中高生の読書感想文の課題図書などにも良いように思う 

活字離れが叫ばれて久しい昨今であるが 本作をきっかけに 夏目漱石 草枕 坊ちゃん 島崎藤村しまざき とうそん(本文中にもルビがあるが。。。推して知るべしである) などに興味を持ってもらい古典(既に)を読む切っ掛けにでも成れば良いのでは と老婆心ながら思ふw

松本城や深志神社を訪ねてみようかな

処で。。。 皆さん 巻末の解説って 今も必要だと思います?

Ursula Kroeber Le Guin を愛するというのは激しく同意なのだが(初期作品)

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