マンハッタン少年日記 ジム・キャロル

小説

改題して 『バスケットボール・ダイアリーズ』映画化 R指定 レオナルド・ディカプリオ主演

ジム・キャロルが13歳から16歳までの日々を綴った自伝的日記だが、「青春日記」という呼び名には似つかわしくない、荒れた日常が綴られている。暴力、犯罪、ドラッグ、性的逸脱など、ショッキングな描写が冒頭から容赦なく現れ、爽やかさとは無縁の一冊。
読み始めてすぐに、ホモセクシュアリティ、喧嘩、ドラッグが立て続けに登場する構成は、読む側に強烈な違和感を残す。ジム・キャロル本人の才能や表現力を評価する声もあるが、本作に感情移入できるかどうかは読者の感性次第。
彼のファンでなければ、その文体や世界観に惹かれるのは難しいかもしれない。知らなくてもよかったと思わせるような、生々しい現実の連続。そうした過酷な世界に全く憧れを持たない人間にとっては、嫌悪感すら覚える作品である。読了後に残るのは、価値観の断絶と静かな拒絶感だけだった。


バンドの代表曲 “ピープル・フー・ダイド” は 『E.T.』で使用された

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