青春を描いた物語だが、正直なところ物足りなさが残る。舞台は“地域のダストボックス”と呼ばれる落ちこぼれ校・稲野原高校。振られたばかりの理穂、毒舌で体の弱い美咲、野球エースの兄を持つ如月らが、退屈な日常の中でささやかな事件に出くわす。
スーパーの店員をからかい、ネコの死骸を見つけ、海に行く――そうした出来事が重なるものの、どれも途中で終わったような印象が残る。あさのあつこ的な濃密な心理描写を期待すると肩透かしを食らう。会話が多くテンポはいいが、その分、物語に深みがない。
醒めた言動や屁理屈を並べながらも、本気で何かに向き合うことはない高校生たち。それでも彼らの日々は確かに続いていく。共感よりも距離を感じたが、青春の曖昧さを描いた作品とも言える。後悔が始まるのは、もう少し先の話だと思うよw
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