殺人犯の心理に切り込み、社会の冷たさと人間の尊厳を描いた、重厚なテーマの社会派小説。129回直木賞候補作。冒頭の一文が心に深く刺さり、読後感は驚くほど清く、気高い。単に「暗い」と切り捨てるには、あまりにも誠実で強い物語だ。
未成年の中道隆太は、些細な口論から殺人を犯す。いくら自己防衛を訴えても、警察も裁判も、誰一人として信じてはくれなかった。下されたのは、短期5年以上、長期7年以下の懲役刑。若さゆえの過ちには、あまりにも大きすぎる代償だった。
出所後も、社会の視線は冷たい。戸惑う家族、まともとは言いがたい旧友、被害者家族の憎悪。そして、静かに彼を拒絶する社会。だが隆太は、死を選ばずに生きようともがく。更生とは何か、人は本当に変われるのか。犯罪者に対するまなざしの中で、人間の弱さと強さがあぶり出されていく。
全ての罪が赦されるわけではない。けれど、赦しと再生の可能性が否定されるべきでもない。人は、残酷であると同時に、驚くほど優しい存在でもある。
某アーカイブにドラマもあります
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