イッツ・オンリー・トーク 絲山秋子

小説

会話文が中心で、まるで「ムダ話」のようにあっという間に読める中篇2作。いずれも女性が主人公で、再生をテーマにしている。読みやすさの中に味わい深さがあり、解説をただの書店員が担当している点も興味深い。著者は第134回芥川賞受賞の逸材

「イッツ・オンリー・トーク」(第96回文學界新人賞受賞、第129回芥川賞候補)は、華やかな新聞社社会部から無職の自称絵描きに転落した橘優子が主人公。周囲の男性は見事にダメ人間で、淡い恋心を抱くも結ばれず、淡々と日常を描く。この作品で芥川賞を取ってもおかしくなかった。

「第七障害」は、乗馬事故で馬を死なせた過去を抱える早坂順子とライバル永田篤のほのぼの恋愛小説。二人の微妙な距離感が絶妙で、非常に好感が持てる作品

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