自転車を軸に、恋あり笑いあり涙ありの青春小説。文体は平易でテンポも良く、爽快感に満ちていて一気に読める。読後は人生順風満帆と感じさせる明るさ。物語は18歳の春、昇平・草太・伸男の3人が南房総から東京西部へ、100km超を自転車で走る旅から始まる。まるで自らの足で人生の第一歩を踏み出すかのように。主人公・昇平の成長と旅立ち、大人としての自覚、そしてやがて親となるまでの道のりを描く。軽快で楽しい作品だが、ややご都合主義に感じる面もあり、コンプレックスや挫折の描写が少ないぶん人生の苦味に乏しい印象。登場人物の心理描写もやや浅く、深みに欠ける点は否めない。それでも気軽に読める青春小説として魅力は十分心地よい読書時間
Amazon.co.jp: 自転車少年記―あの風の中へ―(新潮文庫) 電子書籍: 竹内 真: Kindleストア
Amazon.co.jp: 自転車少年記―あの風の中へ―(新潮文庫) 電子書籍: 竹内 真: Kindleストア