『 俺にもくれ 』 柳沢きみお 小学館 1998年~ コミックは1990年初版【第一集 上京編】 【第二集 歌舞伎町編】 全2巻
本作品は大人の悲哀を醸している作品です 昔々は 翔んだカップル 等でヒットした作家さん
あらすじに ネタバレあります!
(あらすじ)
第一集 上京編
暴力団を抜けた安藤政雄は、餞別にもらった拳銃を手に上京し、新たな人生を歩もうとしていた。
同じ頃、新潟県で安心で事業で成功し財産も有り平和で暖かい家庭を持つ 40歳の誕生日を迎えた佐々木秀夫も、残りの人生をやり直す決意していた。全財産を妻子に残し、二千万円だけを持って東京へ向かう。
偶然にも二人の鞄が入れ替わり、安藤の拳銃と佐々木の大金が交錯する。新たな人生を模索する二人だが、この偶然が思わぬトラブルを呼び込み、彼らを波乱の渦へと巻き込んでいく。
第二集 歌舞伎町編
アパートを失い行き場をなくした佐々木と安藤は、元大家の老人が所有する歌舞伎町の小さなビルで同居生活を始める。
佐々木はそのビルの一室を使い、念願だった無料の人生よろず相談所を開設し、人の悩みに耳を傾ける日々を送る。一方、若さと体力を持て余す安藤はボクシングジムに入門し、新たな活路を模索する。
騒がしくも穏やかな日常が続くかに見えたが、地上げ屋がそのビルを狙い行動を開始する。やがて、因縁を抱える地上げ屋との抗争の火種がくすぶり始める。
(ゆるっと感想)
40歳という老いを感じ始める年齢で、佐々木のように思い切った行動をしてみたいと空想する人は少なくないだろう。これは昨今の転生ものに近く、「もし違う人生を歩めたら」「別の可能性があったのでは」というジレンマに通じる感情だ。
尤も、多くの人は佐々木のような決断も度胸もなく、ただ憧れるしかない。現実に目を向ければ、彼がガソリンスタンド5軒、自動車整備工場3件、印刷工場などの資産を所有し、妻子の生活を保障した上で二千万円を現金で持ち東京へ出る、という大前提そのものが非現実的だ。
だからこそ、弁護士が漏らす「あきれた人だ……しかし羨ましくもなりますよ」という台詞が生々しいい現実を起草させる。中年から老年への入り口で、衰える気力や体力に抗う姿は、自己中心的でありながらも羨ましく、どこかロマンを感じさせる。
アイキャッチは自己保有のモノ(面倒だったのだがやっと頑張り始めた)
漫画家生活 50周年記念 【 柳沢きみお大全集 】 Amazonや楽天Koboであります 初期の作品から読めます 代表作とも云われる『 翔んだカップル 』や『 特命係長 只野仁 』があり 後にドラマ・映画化するほどのヒットを生んだ作家です


何となく 「俺」繋がりで書いてみました
深い意味はありません m(_ _)m