緋色の迷宮 トマス・H・クック

雑記

さすがさすがの流れ石 くっくっ と唸る巧緻なミステリ。スリルより切なさが際立ち、緻密なプロットと人間味あふれる筆致が胸を打つ。計算と情の見事な融合に、まるでセピア色の家族写真を手渡されたような余韻が残る。舞台はアメリカ北東部ニュー・ハンプシャー。主人公エリックは穏やかな家庭を築いていたが、ある日隣人ヴァンスから娘エイミーの失踪を知らされる。息子キースの証言が小さな疑惑を生み、それが次第に家族の崩壊を導く。信頼とは何か、疑う心とは何か。生まれた家族と自ら築いた家族、どちらにより安らぎを求めるべきか。巻頭と巻末に登場する「おまえは」と呼びかける声の正体は、神か悪魔か、それともエリック自身の内面か。

静かに心を揺さぶる家族劇と心理の迷宮を描いた感動作

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